村木
村木のどういう顔を一番覚えているかというと、不信だ。 私は面倒な女である、君はいいとこのお坊ちゃんで多分理解できないだろう、 それが村木の底に流れている感情であり、孤独だったような気がする。
時々安心するが、安心した自分に不信感をつのらせてまたおかしくなる。 思春期のそうした感じやすい気分を、 「メンヘラ」の一言で矮小化するのはあんまり好きじゃないな。
あの季節にしか言えない、感じられないことがたくさんある。 成長するということは、鈍くなるということと同義だ。
オトナ先輩ってどの漫画でしたっけ。 1枚2枚しか描いてないなら、 別の事柄を書いた日記をまとめただけのフェイクかもしれません。 まあこういう時にぱっと探せるようにできていないのは意図的です。 そのうちランダム表示で12000分の1の確率で出てきたら教えてください。
「姿見」については「脱いでるところ!」という意見が圧倒的に多くて嬉しいです。 正解は正直僕にもよくわかりません。
袖のボタンをとめている(か外している)、という絵を描きたくなり、 袖のボタンっていつの段階ではめたり外したりするっけ、となり、 僕は着る時は最後、脱ぐ時は最初だなと思いました。
それじゃ面白くないんで「どういうこと?」となるように いろんな状態を混ぜてみたので、正解は「絵の中のマキタにしかわからん」 ということになります。
場所は演劇部の更衣室です。 きぐるみみたいな衣装を着る時、下はどうなってんのかとか、 当時はもちろん恥ずかしくて聞けなかった話がいっぱいあります。
「それよりこの子はノーブラでシャツ着るんか」という ツッコミを期待しましたが、それはあまり関心がなかったようで。 タイはあとから書き足したんですごい変でしょ。 タイを入れないと乳首を描く必要があってそれは駄目だと思ってさ。 うちの高校の制服、タイやリボンはなかった。
先日、教え子の女生徒と漫画の話をしてて、 「時々読んでて、この服ではトイレで用足せない」とか さまざまな男が描く女性の服へのツッコミを聞いてて ああ面白いなあと思ってね。
僕は大きくて遊具のたくさんある整備された公園よりも、 錆びて朽ちかけた小さな公園が好きで、 村木に呼び出されて話をした公園もよく覚えている。
ただ覚えているのはその雰囲気だけで、 名前や場所は全く記憶にない。日記にも書いていなかった。
以前ちょっと探した時にgoogleマップで候補を探してみたものの、 徒歩5分圏内に8箇所も小さな公園があり、 そのどれもが似たような、土地のすきまに作られたような公園のため ストリートビューで見ても思い出せない。
たびたび真横を近鉄電車が通って、 大事なことを言おうとしては言い淀む、 そんなことだけを覚えている。
そんなことから、多分あの時の公園はここだったんだろうと思った。 30年前にこの公園があったのかどうか、 それは地元の人間ではなかった僕にはわからない。
そんな記憶にも残らない、 小さな小さな思い出が僕は好きだ。












