オータニ

本編「春 Primavera」に登場する演劇部員。

気持ちが下降するほどに絵が明るくなるのは 絵描きに共通のナニカだと思っていましたが…。 僕だけだろうか。

「友達」の定義をしよう。 僕にとっての友達を。

オータニを入れると明るい絵になる。 僕とマキタだけだとじめっとしている。

もう何枚描いたかわからないけれど、 今日も同じような絵を描いている。

あっと言う間に4、5時間経っている。 毎日毎日描き足りない。

なにかに夢中になると何も見えなくなり、何も聞こえなくなる。 友達と図書館で本を借りて、 読みふけっているうちに友だちは怒って帰ってしまう、 なんてことが度々あった。

もっともっと集中したい。 何もこれ以上考えなくて済むように。

制服の中でもブラウスを特に描きたい。

これは説明すると余計誤解を生む気もするけど、 女子のブラウスのしわの寄り方が一番描いていて楽しく、難しく 絵的に魅力がある。

ブレザーやスーツの上着は、大きなしわが寄って 大きな形を立体的に描きたい時には魅力的だけれど、 僕はもう少し柔らかい素材で、細かくしわが入る状態の方が 描いていて楽しい。

僕はもちろんブラウスを所有したこともなければ、 手にとってまじまじと観察したこともなく、 着たこともない。 へたすると左前か右前かすら間違える。

つまり無知だ。 スカートもそうだが正直どうなっているのか今もわからない。 そして調べようともあまり思わない。 機能には興味がないのだと思う。僕がスカートを履くことはないからな。

無知なものを遥か昔の記憶と想像で描くのがいい。 描いているうちに気づくといいなと思って描いている。

絵的に映える絵を優先するなら、男性の体の方が見栄えがする。 凹凸が大きく、影ができやすいので描くところがたくさんあるからだ。

これは男女両方のヌードデッサンをやるとわかる。 男性を描いた方がうまく描けた気がして満足度が高い。 石膏デッサンのモデルになる彫刻も、男性の彫像が多い。

柔らかいものを描くのは難しい。 何を描いても僕には難しいわけなんですけども。