杉ちゃん

描いても描いても納得はいかない。 まあ納得がいったら描かなくていいもんなーと思うと すぐ次を描かねばという気になる。

何万回もそれが続いている。 その気持ちの底には何があるかと考えれば、

「きっと絵が好きな人は子どもの時から同じように  何万回も同じことを繰り返したのだ。」

というコンプレックスにたどり着く。 そう考えればコンプレックスもそんなに悪者ではない。

風が吹いてきて会話が途切れた。 私たちはしばらくその風に吹かれた。

私は何か言わなければいけない気がした。 彼女も何か言われたそうな顔をした。

だから私は何も言わない。 もう言葉で取り繕える季節は過ぎたのだ。

きっかけ(トラウマ)があって同性が好きになる後天的な子と、 先天的に最初っから同性が好きな子でもにおいが違って、 においが違うと恋愛にはならない、とか言ってた覚えがある。

新宿2丁目のおかまバーに出入りしてた頃も思ったが、 彼彼女らの好みは出会いが我々より更に少ない分、 より先鋭的ではっきりしているように感じた。

確かに「ただの友人以上に感じる同性」がいた経験は 僕にもあるが、それはもちろん恋愛ではない。 何が恋愛なのかを知らなければ混同するのも無理はない。

杉ちゃんは一緒にいてとても楽だった。 どれだけ一緒にいても絶対に変な空気にならないからだ。 本物はいい。