人物:加藤塵芥

まあだいぶ極端に描いてはいますが、 加藤はこんな感じです。

もう少し大人になって色々な人間に出会うと、 このなんというか、完全に開き直った態度は ある意味立派なものだと思えます。

実際のところ、加藤は一部の女子に人気あったんですよ。 徹底したエゴって魅力的でもあるので。

それよりもっと悪辣なのは、 やってることは加藤と同じで、 かつ善人だと思われたい人間なのです。

そしてそれらの人間の方が 僕自身も含め、圧倒的多数なのです。

僕は多分、「みんな」と上手くやっていこうと思えば できたのだと思う。

でもどうしても流される。 イヤだ、ダメだと言えなくなる。 笑って、内心人をバカにしてしまう。

高校生の僕は それが怖くて怖くて怖くて。

「つきあう」とか「別れる」とか 何もわかっていないころ、

なんだか不穏な冷たい空気が流れる、 元恋人たちのやりとりを、 僕はなんだか大人っぽいなあと ドキドキしながら眺めていた。

写真部加藤は女子に人気があったが、 結構色んなことをやっていて、 「結構色んなことをやっている」人間の持つ、 怪しげな空気を既にまとっていた。

直接言うとまた嫌われると思って 写真部を使った。

失敗だった。

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