シリーズにんげんのうた①「マキタ。」2016 .11.06高校2年生で同じクラスになったマキタとハセガワ。ハセガワが進路希望のプリントを渡すと、マキタは「いらない」と受け取りを拒否する。自分を貫くマキタの姿に対し、ハセガワは進路調査票に「しにたい」などと書き殴る自分を、与えられた枠の中で駄々をこねるだけの子供だと自嘲し、彼女を見つめる。僕はいつも反抗的だったが、それは反抗のための反抗、 反抗的なポーズに酔いしれているだけの、暗く俯いた子供で。だから結局、大きなシステムを自分から見限ることなく、 安心が約束された場所から、辺りの顔色を伺いながらあれもこれもダメだ、と 駄々をこねていたに過ぎない。僕にとってマキタは、そうした稚拙なアイデンティティでさえ確立できずにいる、 僕自身のアンチテーゼのような存在でもあった。→シリーズにんげんのうた