笑顔で手を差し伸べる少女。

もちろんこれは僕に差し伸べている手ではない。僕は差し伸べられた手を握り返すことが上手くできない、素直ではない人間だったから。

オータニが優しい人間だったかどうか、僕にはよくわからない。友達と呼べるほど二人で話し合ったこともないと思う。

でもいつも幼馴染みのマキタには手を差し伸べていた。それは間違いない。

僕はそれをキャンバス越しに視界の端で見ていた。そして羨ましいと思っていた。