作られたお話とは違って、僕の記憶に正解はない。 結局この記憶が、単純に決別の表明だったのか、 あるいは僕に選択を迫る村木の最終通告だったのか、 僕にはどちらとも言えないし、どちらとも思える。
ただ、一つの事実として、 僕は言われるがままに自分の部屋を出て、 肌寒い深夜の駐車場でぼんやりタバコを吸っていた。
何か考えた気もするが、多分何も考えていなかった。 村木の言葉を、言葉通り受け取っただけだった。
いずれにせよ、それが最後のチャンスだったことには違いない。 なぜならこのすぐ後に最後が訪れたからだ。
最後のチャンスは、 いつだって最後だとわからない。
