ぴくちゃんは誰が見ても立派な分裂病でしたが、 こちらが引いてしまわないで相手をしてあげていると、 色んな特性を見せてくれました。
言葉に強く執着するんですよね。 連想ゲームというかダジャレというか、 本気で何の意味もない文章から意味を見出そうとするのです。
そしてその自分が見つけた陰謀だったり裏の暗号だったりを 僕に必死で説明しようとします。
往々にして統合失調の患者がそうであるように、 ぴくちゃんも薬を飲んでいるうちにあっと言う間に治りましたが、 どの時点で治ったと言えるのか、僕にはわかりません。
大きな世界的組織の陰謀の中で、 殺される運命にあるヒロインだと自分を思い込む彼女を、 一体誰が不幸と断定できるんでしょうか。
目が覚めた方が不幸なのは 誰だってわかっていることなのに。
