「電話。」2020 .10.22 マキタ 高校編 #1ページ携帯電話がない時代、黒電話が家の玄関の屏風裏にあり、電話が唯一の連絡手段だった。暗闇の中、自分の手も見えないが、声だけが聞こえることで不安と安心が入り混じった感覚がある。明るい場所ではうまく話せない人々にとって、静かな空間での電話は特別な意味を持っていたようだ。ほっこり 切ない携帯電話がない時代、黒電話が家の玄関の屏風裏にあり、電話が唯一の連絡手段だった。暗闇の中、自分の手も見えないが、声だけが聞こえることで不安と安心が入り混じった感覚がある。明るい場所ではうまく話せない人々にとって、静かな空間での電話は特別な意味を持っていたようだ。携帯電話がない頃、 電話は家の黒電話か、走って15分かかる公衆電話しかなかった。夜8時を過ぎると家の玄関はまっくらだった。 家族は渡り廊下を渡って遠く離れた居間にいるので 何の物音もしない。闇の中で話していると、 自分が周りの闇に溶け出してゆく、 妙な感覚に襲われる。あの感覚を上手に言葉にしたいといつも思うのだが、 今もって的確に表現できる言葉が見つからない。