自分のことを手紙でよく「私はいじめっ子だ」と書いていたヒカルは、 実際にはきっと正義感の強い優しい子だったんでは、 と僕は思う。 誰もがそうであるように、思春期の問題は この自分は本当の自分ではない、と思いこむところにあって、
上手くやれればやれるほど、死にたいという欲求が高まるのは 僕自身にも覚えがあった。
ただ、頭のよい子は まだ知らなくてもいいことを、 随分と早い段階で知ってしまう。
知っていることと精神的な未熟さがくい違う。 その引き裂かれた「自分」と「自分」の葛藤が 思春期の重い憂鬱である。
