「たった一枚だけ、の。」2020 .12.22演奏会が終わった後、楽屋で一人の女性が椅子に座っている。彼女はセーターを着て少し落ち着いた表情をしている。日が暮れるまで静かに過ごした二人だが、その時間の中で彼女の写真を一枚だけ撮影したというエピソードが描かれている。村木の写真はほとんど残っていない。 残っているものも、全てモノクロフィルムだ。 当時写真は全部モノクロで撮影していたからだ。文化祭が終わった時のような空気が流れていた。僕と村木は残ってだらだらと後片付けをした。長い一日が終わって、僕たちはしゃべる気力もなかった。 僕は黙って一枚だけ写真を撮った。