後ろ姿とは言え、自分が描かれた作品を見て マキタはどう思っただろう。 少なくともいい気分ではなかったに違いない。

そんなことは僕自身にもよくわかっていた。 でもやっぱりまだ消せない感情が胸の奥で燻っていた。どうしても。 そのジレンマが高校生の僕の恋愛だったと思う。

何もかもが相対的に捉えられ 一瞬で自分の立ち位置が情報として決定してしまう今は このような恋愛は ただの自分勝手な気持ち悪さとしてしか理解されないだろう。

そして 僕たちのように互いを受け入れることも 完全に否定することもできず モヤモヤとした関係を続けることも もうないのかもしれない。

それは果たして 幸福な世界なんだろうか。